こんにちは、りんです。
労災保険は「わかりづらい」と嫌煙されがちですが、この記事では理解を深めてもらえるよう漫画の登場人物を用いて執筆しました。
今回の登場人物はこちらのお方!
鬼滅の刃の宇随天元さんを元に、「業務遂行時のケガや病気で受けられる補償(労災保険)」について解説していきたいと思います。
業務遂行中のケガの治療費については、「FP【マンガで簡単に学ぼう】業務遂行中のケガの治療費(鬼滅の刃・宇随)」で記事にしています。
治療費負担が気になる方は、こちらの記事から読むことをおすすめします。
- 宇随天元さんを通して、業務遂行時のケガや病気で受けられる補償について解説
ケース①会社員だった場合
ケース②フリーランスだった場合
この記事を書いている人 -WRITER-
- 労働保険と労災保険の違いをわかりやすく解説!
- 鬼滅の刃・宇随天元さんのケガの状況
- もしも宇随天元さんが会社員だった場合に受けられるケガや病気の補償は?
- もしも宇随天元さんがフリーランス(個人事業主)だった場合に受けられるケガや病気の補償は?
- 特別加入制度とは?
- まとめ:会社員の業務遂行時のケガや病気で受けられる補償は手厚い
労働保険と労災保険の違いをわかりやすく解説!
本題に入る前に、多くの方が、「労働保険」と「労災保険」の違いについてあまり認識していないので、まずはその違いから説明していきます。
上の画像が労働保険と労災保険の関係図です。
労働保険とは
上の図からもわかるように、労働保険とは、「労災保険」と「雇用保険」を総称した用語です。
労災保険とは
一方で労災保険とは、「労働保険」の一部をいいます。
正式な名前は、「労働者災害補償保険」といい、一般的には、赤字の部分を切り取って、「労災保険」といいます。
お給料から天引きされている「雇用保険料」っていうのは、労働保険のもう1つのやつだね。
「雇用保険料」は、会社と折半で納めるものだから、天引きされてるけど、「労災保険料」って払ってる?
「労災保険料」は会社が全額払ってくれているんだって。
労災保険料は、雇用期間が短期・長期関係なく、どんな雇用形態でも、経営者が全額支払うものです。
これにより、労働者全員が、業務遂行時に負ったケガや病気が補償されます。
この記事では、「保険料の支払い」ではなく、「給付」(もらう方)について焦点を当てていきます。
労働保険全体について知りたい方は、こちらの本がおすすめです。
手続きから給付まで、わかりやすく記載されています。
Amazonサイトでは、「チラ見」機能があるので、興味のある方は活用してくださいね。
鬼滅の刃・宇随天元さんのケガの状況
それでは、早速、本題の宇随天元さんのケガの状況を把握していきましょう。
- 左目:失明
- 左手:切断
- ケガをした際の状況:敵との戦闘中
- 雇用関係:不明
今回の論点は、宇随天元さんの立場が、会社員だったのか、フリーランス(個人事業主)だったかのによって、待遇が大きく変わるという点です。
もしも宇随天元さんが会社員だった場合に受けられるケガや病気の補償は?
まずは、宇随天元さんが会社員だったらという仮定でお話ししたいと思います。
この場合、雇用主はお館様。
宇随天元さんは従業員という雇用関係と仮定します。
会社員の業務遂行時のケガや病気で適用できる補償は、「労災保険」になります。
- 療養補償給付(ケガ・病気)
- 休業補償給付(ケガ・病気)
- 傷病補償年金(ケガ・病気)
- 障害補償給付(障害)
- 介護補償給付(介護)
- 遺族補償給付(死亡)
- 埋葬料(死亡)
すごいね。補償がいっぱい。
会社員であれば、労災保険では対象外の業務外のケガや病気にも手厚い補償がついてくるものもあります。
労災保険ではないですが、そちらも一緒に見ていきましょう。
療養補償給付(ケガ・病気)
業務上で負ったケガや病気は、労災病院または、労災保険指定医療機関で直接、この給付が行われます。
どういう意味?
治療費がタダ(0円)になります。
詳しくは、「FP【マンガで簡単に学ぼう】業務遂行中のケガの治療費(鬼滅の刃・宇随)」で記事にしています。
療養補償給付は、治療期間中、ずっと続きます。
休業補償給付(ケガ・病気)
ケガや病気でお休みし、賃金が受けられない時にもらえる補償です。
これは業務上のものと業務外のもの、どちらも補償されます。
ただし、補償してくれる機関が違いますので、下記でざっと説明します。
業務上のケガや病気の場合(労災保険)
労働者が業務上のケガや病気で休業し、賃金を受けない日が4日以上ある場合(とびとびで休んでも可)、4日目から最長で1年6ヶ月、給付基礎日額の60%相当額が支給されます。
給付基礎日額とは、原則として、事故が発生した日の直前3か月間にその労働者に対して支払われた金額の総額を、その期間の歴日数で割った、一日当たりの賃金額のことです。
休業補償給付は、4日目から最長1年6ヶ月まで給付されます。
これ以降、まだ病傷が治っていない場合は、「病傷補償年金」(後述します)が支払われます。
鬼滅の刃の宇随天元さんで言えば、傷の治療で療養中で、しかもお給料をもらっていなければ、1年6ヶ月間、この休業補償給付がもらえます。
ただし、お館様の温情で、休業中もお給料が出ていた場合は、休業補償給付はもらえません。
業務外のケガや病気の場合(健康保険)
正しい名称は、「傷病手当金」といいます。
被保険者 が病気やケガのため、仕事を継続して3日以上休み、十分な給料を受けられない場合に、4日目から最長1年6ヶ月間支給されます。
お休み(休業)について、労災保険はとびとびで良かったのに対して、健康保険は
じゃあ、例えば、風邪で2日休んで出社したはいいけど、また具合悪くなって、その後、会社をずーっとお休みした場合って、最初に2日しかお休みしなかったから、傷病手当金はもらえないの?
この場合、最初に休んだ2日分はもらえませんが、また具合が悪くなってから、3日連続してお休みをしてしまった場合、4日目から傷病手当金の支給対象になります。
傷病補償年金(ケガ・病気)
労働者が業務上のケガや病気により療養し、療養開始後1年6ヶ月経過後に、傷病が治っておらず、傷病等級1級~3級に該当する場合に支給されます。
これが、先程お話しした、「休業補償給付」が1年6ヶ月経過した後にもらえる補償です。
こちらは、業務上のケガや病気(労災保険)のみの適用になります。(健康保険にはこの制度がありません。)
鬼滅の刃の宇随天元さんが、1年6ヶ月を過ぎてもケガの治療中だった場合、「休業補償給付」の給付が終わった後、この「傷病補償年金」が支給されます。
障害補償給付(障害)
ケガや病気が治ったあと、障害が残った場合に支給されます。
鬼滅の刃の宇随天元さんは、片手を失っているので、現代であれば、この「障害補償給付」も給付されますね。
介護補償給付(介護)
労災事故により労働者が介護を要する状態にあって、実際に介護を受けている場合に支給されます。
遺族補償給付(遺族給付)
労働者が業務災害または通勤災害によって死亡した時、遺族に対して支給される年金です。
埋葬料(死亡)
これは業務上のものと業務外のもの、どちらも適用されます。
業務上のケガや病気で死亡した場合(労災保険)
業務災害または通勤災害によって死亡した労働者の埋葬を行う者に対して、請求にもとづいて支給されます。
業務外のケガや病気で死亡した場合(健康保険)
被保険者が死亡した時、埋葬を行う者に対し、5万円が支給されます。
また、被保険者(会社員)の家族が死亡した時は、被保険者に5万円が支給されます。
これらのお話は、適用要件など、色々とあるので、詳しくは労災保険監督の労働基準監督署、もしくは社会保険労務士にお尋ねください。
もしも宇随天元さんがフリーランス(個人事業主)だった場合に受けられるケガや病気の補償は?
次に、宇随天元さんがフリーランス(個人事業者)だったらという仮定でお話ししたいと思います。
この場合、委託者はお館様。
宇随天元さんは受託者という委任関係になります。
え? 「労災保険」使えないの?
「労災保険」は労働者が使えるものです。
フリーランス(個人事業主)は、雇用者ではないので労働者として認められず、「労災保険」の適用範囲外になってしまいます。
会社員であれば受けられるその他の補償も、残念ならが受けられません。
え? なにも受けられないの?
国民年金から支給される色々な補償もありますが、会社員の補償から比べれば、かなり低いものになります。
それでは、国民年金から支給される補償を見ていきましょう。
- 障害基礎年金(障害)
- 遺族基礎年金(死亡)
- 埋葬料(死亡)
え? これだけ?
そうなんです。これだけなんです。
しかも補償金額は、全て、会社員に比べてかなり低い金額になります。
その為、フリーランス(個人事業者)は、一定の蓄えや保険などを検討する必要があります。 >>無料で保険相談してみる
経費になる保険もいっぱいありますので、フリーランス(個人事業主)の方は、是非、検討してみて下さい。)
特別加入制度とは?
フリーランスや事業主は労働者ではない為、労災保険の対象にはなりません。
しかしながら、所定の条件を満たすことによって、これらの人達も労災保険の給付対象にすることができます。
これを特別加入制度と言います。
しかしながらその範囲は非常に狭いので注意が必要です。
自動車を利用する運送業、土木業や建築業、解体業、漁師、林業、配置薬業、リサイクル業、船員
すごく狭き門だね。
これを見ると、やっぱり生命保険で対策を練った方がいいかもね。
まとめ:会社員の業務遂行時のケガや病気で受けられる補償は手厚い
この記事では、鬼滅の刃の登場人物である宇随天元さんを例に、業務遂行中のケガや病気で受けられる補償について説明しました。
この受けられる補償は社会人とフリーランスを比べると雲泥の差があります。
独立する際は、補償についても考慮する必要がありますね。
- 業務遂行中のケガや病気で受けられる補償は、会社員なら「労災保険」。フリーランスは国民年金のみ。
- フリーランスでも一定の条件のもとでは「労災保険」の給付の支給対象になる。
ただし、その範囲は非常に狭い。
- 療養補償給付(ケガ・病気)
- 休業補償給付(ケガ・病気)
- 傷病補償年金(ケガ・病気)
- 障害補償給付(障害)
- 介護補償給付(介護)
- 遺族補償給付(死亡)
- 埋葬料(死亡)
- 障害基礎年金(障害)
- 遺族基礎年金(死亡)
- 埋葬料(死亡)
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