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【医療費控除】いくらからでいくら戻るの?計算方法をわかりやすく解説

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【医療費控除】いくらからでいくら戻るの?計算方法をわかりやすく解説

【医療費控除】いくらからでいくら戻るの?計算方法をわかりやすく解説

確定申告の時期だけど、医療費控除っていくら戻るの?
そもそも10万円超えないと適用にならないの?

今日はそんなお悩みを解決します。

結論を先に言うと、10万円以下でも医療費控除の適用を受けられる場合もあります。

10万円を超えた分の医療費が戻ってくるんだよね?

こういう認識の方も多いのが現状ですが、実はそんなに戻ってきません。

戻ってきても、普通のサラリーマンなら5%から30%前後です。

そんな微々たる影響しかないんだったら、申告しなくてもいいかな?

サラリーマンでは住民税、自営業の方では住民税はもちろん、国民健康保険料、70歳以上の方なら医療費負担割合も変わることがあるので、是非申告して下さいね。

皆さんがするもったいないミスも解説するので最後まで読んでね。

【本記事の内容】
  • 医療費控除の概要
  • 医療費控除の計算方法
  • 医療費控除が与える影響

この記事を書いている人 -WRITER-

りん:FP(元税理士事務所勤務)

税金や社会保険などのわかりづらい内容をわかりやすく解説しています。その他、ブログ運営やペットについても発信しています。

詳しいプロフィールはこちらから

 一言で「医療費控除」と言っても、情報量が多いので、今回は計算方法に絞って、簡単にわかりやすくお話ししていきたいと思います。

細かい各論点は、別途記事にしていますので、そちらを参照して下さい。

また、医療費控除が与える影響については、税理士事務所ではあまり気にかけない論点です。

なぜなら、社会保障に係ることになるので、税理士の範疇外だからです。

ただ、このブログでは私がFPということもあり、取り上げていきたいと思います。

 

 

 

 医療費控除の概要

医療費控除の概要

医療費控除の概要

それではまず、医療費控除の概要についてお話ししていきたいと思います。

医療費控除の概要①
医療費控除は所得控除

所得税の控除には、給与所得控除や公的年金等控除、所得控除、税額控除などがあります。

(この内、給与所得控除や公的年金等控除はそれぞれの所得の必要経費的な役割を果たし、他の控除とはちょっと意味合いが違いますのでここでは割愛します。)

さて、問題の所得控除と税額控除の違いですが、上の画像を見てください。

所得控除は、税額を計算する所得(利益)から控除されるものを言います。

一方、税額控除とは、税額を計算した税額から控除されるものを言います。

医療費控除は、「所得控除」になります。

だから、全額戻ってこないで、5%~30%(多くても45%)なんだね。

所得控除の代表的なものには、扶養控除や配偶者控除などがあります。

医療費控除の概要②
医療費控除の適用範囲

医療費控除は、自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合、その年中に支払った医療費の金額から保険金等により補填される金額を控除した金額(最高200万円まで)を所得金額から控除できる制度です。(法73)

ダメだ、全然頭に入ってこない・・・。

簡単に言うと、こんな計算式になります。

医療費控除の金額=その年中に支払った医療費の金額-補填された給付金額

図解にすると下記図のようになります。

医療費控除(原則)

医療費控除(原則)

ピンクの字のところが、「自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った」医療費の内、医療費控除できる金額です。

詳しくは次章でお話しします。

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医療費控除の計算方法

医療費控除の計算方法

医療費控除の計算方法

医療費控除の計算方法には2つあり、どちらか有利な方を選択適用することになります。

医療費控除の計算方法
  1. 従来の医療費控除の計算方法(原則)
  2. セルフメディケーション税制の計算式(特例)

なお、この選択適用は、後日、税金の計算が間違っていて、修正申告(もしくは更正の請求)をする際も同じ方法を選択しなければならないので、十分に気を付けて下さい。

「原則」で確定申告し、「特例」で確定申告し直すことはできないってことだね。

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従来の医療費控除の計算方法(原則)

医療費控除(原則)

医療費控除(原則)

総所得金額等が200万円以上の場合

その年に支払った医療費の金額-保険金等で補填される金額(水色部分)-10万円(オレンジ部分)

総所得金額等が200万円未満の場合

その年に支払った医療費の金額-保険金等で補填される金額(水色部分)-総所得金額等の5%(オレンジ部分)

このオレンジ部分は表現が違くても、結局同じこと言っているよ!

(原則の医療費控除の対象となる医療費については、こちらの記事「【医療費控除】市販薬や付添交通費・ガソリン・駐車代は対象になる? - ぼく達の飼い主の【ポジティぶろぐ】」で説明しています。)

セルフメディケーション税制の計算方法(特例)

こちらは平成29年1月1日から令和3年12月31までの期間限定の特例です。

特定一般用医療品の購入金額(OTC)-保険金等で補填される金額-12,000円

(セルフメディケーション税制については、こちらの記事「セルフメディケーション税制とは?わかりやすく解説|10万以下でも医療費控除! - ぼく達の飼い主の【ポジティぶろぐ】」で詳しく説明しています。)

「OTC」ってどうやって見分けるの?

対象となる商品には、原則として識別マークが表示されています。

OTCの実際の映像


レシートでもセルフメディケーション税制の対象である旨の目印が付されています。

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医療費控除で所得税がどのくらい戻るかシミュレーションしてみよう!

医療費控除で所得税がどのくらい戻るかシミュレーションしてみよう!

医療費控除で所得税がどのくらい戻るかシミュレーションしてみよう!

それでは、医療費控除でどのくらいの税金が戻るのかいくつかシミュレーションしてみましょう。

医療費控除で戻る所得税は?
シミュレーション①

【Q】今年持病が悪化し入院しました。詳細は次の通りです。今年の医療費控除でいくら所得税が戻るでしょうか?
通院・歯医者など    120,000円
入院          80,000円
その他家族の医療費   50,000円            
合計              250,000円(支出)

入院給付金           100,000円(収入)
※総所得金額:200万円以上 

この例題を先程の図に当てはめるとこんな感じになります。 

医療費控除がいくらになるかのシミュレーション説明図解①

「保険金で充当される金額」って、10万円じゃないの?

今回は入院に関する給付金なので8万円になります。 くわしくはこちらの記事「損してない?【医療費控除】給付金の税金は?|補てんされる金額は? - ぼく達の飼い主の【ポジティぶろぐ】」をご覧ください。

 今回は7万円が医療費控除の額になります。

戻ってくる(還付される)所得税額は以下のとおりになります。

  • 税率が5%の人 ・・・ 3,500円
  • 税率が10%の人  ・・・    7,000円
  • 税率が20%の人  ・・・  14,000円
  • 税率が23%の人  ・・・  16,100円
  • 税率が33%の人  ・・・  23,100円
  • 税率が40%の人  ・・・  28,000円
  • 税率が45%の人  ・・・  31,500円 

医療費控除で戻る所得税は?
シミュレーション②

次は少ない医療費のときはどうなるか見てみましょう。

【Q】今年持病が悪化し入院しました。詳細は次の通りです。今年の医療費控除でいくら所得税が戻るでしょうか?
通院・歯医者など       60,000円
その他家族の医療費    30,000円            
合計                90,000円(支出)
※総所得金額:100万円 

この例題を先程の図に当てはめるとこんな感じになります。 

医療費控除がいくらになるかのシミュレーション説明図解②

今回の例は、総所得金額等が100万円になっているので、「※印」の最高10万円の控除額が5万円になっています。

その結果、今回は4万円が医療費控除の額になります。

戻ってくる(還付される)所得税額は以下のとおりになります。

  • 税率が5%の人 ・・・ 2,000円

このシミュレーションは、医療費が10万円にならなくても、医療費控除ができることもあるという例でした。 

医療費が少ない場合、配偶者の方で医療費控除できないか検討する余地があります。

例え、ご自分のカードで払ったとしてもあとで配偶者からその分お金をもらっていることってありますよね?

・・・という建前で申告しましょう。

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税理士事務所では教えてくれない!
医療費控除が与える影響

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所得控除は税額控除と違い、その金額に税額をかけた金額しか戻ってきませんので、戻ってくる金額は微々たるものかもしれません。

しかし、その金額は所得税だけでなく、住民税にも影響してきます。

住民税は一律およそ10%(市区町村により違います)です。

所得税5%の人でも住民税10%を加えると、実質15%の還元になります。

ポイント還元率や定期預金の利息よりも、あるかに高いからもったいないよね。

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まとめ:医療費控除はできるだけ申告するとお得です

まとめ:医療費控除できるだけ申告するとお得です

まとめ:医療費控除できるだけ申告するとお得です

医療費控除の計算自体はそれほど難しくはありません。

ただ、「これって医療費控除の対象になるの?」など、わからないことも多々あります。

そして、医療費控除は所得控除の1つなので、返ってくる所得税は少なく、面倒に思うのもしょうがないと思います。

ですが、ちょっとした手間で、ポイント還元などよりも多い金額が戻ります。

また、医療費負担割合や介護保険割合など、何に影響するかわからないので、できる限りのことはしておくのがベストだと思います。

今の時代、夫婦別勘定のご家庭もあり、医療費控除も夫婦別でするご希望の方が最近多いですが、これって、ものすごく「損」です。

もう、みなさんならおわかりですね。

夫婦別々に申告すれば、それぞれ10万円控除した金額になるので、世帯では実質20万円も控除した後の金額しか医療費控除できなくなってしまいます。

これ、すごくもったいないないです。

こういった場合は通常、税率が高い方で所得控除するのがおすすめです。

ここで気を付けたいのが、世帯主の方が税率が高いと思い込むことです。

今は女性の方が年収が髙い方もいます。

そういった場合は女性の方で医療費控除をすると節税になります。

また、所得の高い方の方で、扶養控除や社会保険控除などをすると、まれに税率が高い人が逆転することがあります。

例えば、夫婦で年収が100万円位しか違わなかった場合、意外に所得控除をすると税率が逆転する場合があります。

ご自分と配偶者のどちらに医療費控除を付けた方が有利か確認の上、申告することをおすすめします。

 

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